屋外からの遮音性

これらの理想を追求すると、建築費が高くなってしまうのではないかというと、そんなことはありません。ほとんどの項日は新たに追加するものより、今のモノのグレードアップを行えばよいだけなのです。グレードアップの工事費は、材料費の差額分だけです。例えば、トータルで1部屋当り100万円の追加、グレードアップがあったとして、賃貸オーナーの負担増は30年の長期ローンの月々の返済額では、わずか3800円です。それで、家賃が1万円アップし、入居率がアップすれば増収増益になるのです。賃貸オーナーにも良くて、入居者にも満足できる”オールーウィン”な不動産賃貸経営ができるのです。これからの賃借人は少子化のせいで、親の家が相続できる人がほとんどです。持家を購入するまで粗悪な賃貸住宅で”我慢して生活する”人はいないのです。老後の住まいは確保していて、仕事や子育て、親との不仲を防ぐという理由での賃貸生活です。だから、政府も住宅金融公庫を廃止し、『良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法』を定めたのだと思います。快適性を追求するうえでは、まず、遮音性が最も重要な要素になります。集合住宅というのは”他人同士が同じ屋根の下で共同生活をする”場所です。そのうえで、最も”心の安らぎ”を阻害するのが他人の音なのです。他人の騒音は、国土交通省の「住宅需要実態調査」でも住宅に関する不満率の高い項目にいつも挙げられています。また、住宅金融普及協会の「居住性調査報告」でも遮音性に対する満足度では、「上の階からの遮音性」に対する満足度が平均値マイナスで高い不満を示しています。次いで「屋外からの遮音性」と「給排水管からの遮音性」の不満も高かったものの、平均値はプラスで、遮音性については「上の階からの遮音性」を第1に考慮する必要があると考えられます。音には「伝播音」と「衝撃音」の2種類があります。伝播音はテレビやCDの音や話し声、笑い声など空気を伝わって出る音で、気を付けて生活をしたり、遮音・吸音シートなどで抑えることができます。ところが衝撃音は、普通に生活していても階下の部屋には出てしまうのです。マイホームは資産”として考えられていましたから、遮音性には充分に留憲してつくられているのです。ところが「上の階からの遮音性」の不満が高いのは、賃貸アパートのほとんどがこれ以外の構造だからなのです。次に、気密性、断熱性については、健康・安全対応の項で外断熱のことを述べましたが、省干不による光熱費の抑制が入居者にとっては生活費の抑制に直結します。